新設分割と吸収分割の比較_2の2
ちなみに分割型分割は、分割計画書記載事項に関する763条1項12号ロにおいて、分割時に剰余金配当をする場合で、その配当物が当該新設会社の株式であること、というわかりにくい書き方をしている。
剰余金分配
→ 財産の社外流出
→ 債権者を差し置いて株主に配っている
→ けしからん、
ということで、分割型分割だと債権者保護が必須。しかも財源規制がないしね。
たぶん、この財源規制がないのは、Good Bad切り分けの再生を想定しているんだろう、規制ありにしたら再生案件で使えるわけがない。
財源規制というと、上記の剰余金の分配をする場合云々とともに、同じく763条1項12号イにおいて、171条1項の規定による株式の取得をする場合で、その対価が設立会社株式である場合という、これまたわかりにくいくだりがある。
171条1項というのは、全部取得条項付株式の強権発動のこと。あるクラスの株式を取り上げて、発行体の別の株式ではなく、資産である子会社株式を配るので、これも財産の社外流出であり、かつ強権発動時も財源規制なし。だから、債権者保護の対象となる。
そうすると、再生局面だと剰余金があるわけがないから、配当や自己株式取得において財源規制なしというのは再生を想定したもの、すなわち全部取得条項株式も再生局面での利用を想定したもの、といえそうだ。教科書的に言われていることが腹落ち。
この記事へのコメントはありません。