事業承継において種類株式は使い勝手がいい場合が多いです。
典型的には、いい時代に一儲けした会社が収益用の不動産をたくさん持っていて、本業の議決権がない代わりに不動産収入からの優先配当をもらえる設計にするような場合です。
ただ、経済的にはこれでいいのですが、全体のバランスを考えて実行しないと、将来的にもめることがありそうです。
たとえば、先行きの暗い業種で、たたき上げの直系と学歴エリートの傍系がいて、傍系が無議決権優先配当株式を取得するようなスキームが傍系から提案されたような場合です。
おそらく案の定そういう事態になるのでしょうが、その時にたたき上げ直系はどう思うのか、想像に難くありません。
また、悪くすれば、当然当事者にそんな意図はないのでしょうが、客観的に傍系が直系をだましたようにさえ見えることもあり得るのではないでしょうか。